看護師の給与にみられる地域格差

看護師の給与は医療機関の規模や所属している施設の規模によってある程度の格差があることは知られているものの、意外と地域格差があることは知られていない。実は看護師の給与には都会と地方で格差があり、関東や関西、東海周辺が特に看護師の給与がいいと言われている。これについては実際に数値によるデータも出ていることから、噂や都市伝説ではなくおおむね事実だと考えられているようだ。では、なぜ看護師の給与には地域格差があるのかというと、その理由として挙げられているのが病院の勤務体系と需要である。

一般的に都会と地方では都会の方が人口密度が高く、医療機関や介護サービスを利用する人も多い。そうなると医療機関や介護施設も多くの看護師を求めるようになるが、慢性的な人材不足は都会でも見られているためなかなか人材が充実しない現実があるようだ。このため都会にいる看護師は残業や夜勤の回数が増えやすくなり、医療機関や介護施設もそんな看護師を手放したくないからこそ手当を充実させるようになる。このサイクルの結果、地方よりも看護師の需要が高くなっている都会の方が結果的に給与が高くなりやすい傾向となっているのだ。ただ給与が高い分、都会の看護師はこなさなければいけない仕事量が多く、3交代制を導入しているところも少なくないという。このため看護師の給与で地域格差が出るのは致し方ないと考えられており、相応の理由があることから多くの看護師が納得している。